紀元前から栽培され、世界中で食べられている野菜の一つがさつまいもです。
主食としても食べられる野菜で、お米や麦よりもカロリーが低いのが特徴です。食物繊維と腸との相性が良いので便秘解消にも効果的です。
さつまいもの特徴、栄養成分、カロリー、旬(美味しい時期)、産地、美味しいさつまいもの選び方・見分け方について順に紹介します。
特徴・データ
- 学名:Ipomoea batatas
- 分類:ヒルガオ科サツマイモ属
- 原産地:中央アメリカ(メキシコ中央付近)
- 英語:sweet potato
- 和名:サツマイモ(薩摩芋)、カンショ(甘藷)
- フランス語:patate
- ドイツ語:sube Kartoffeln
中央アメリカ、メキシコ中央付近を原産地とし、紀元前から栽培されていることが記録に残っています。
コロンブスがヨーロッパに伝え、日本では江戸時代に栽培がスタートしました。薩摩藩から全国に伝わったのがさつまいもの名前の由来です。
痩せた土地でも育てられることから、飢饉の時に多くの人々を救いました。第二次世界大戦でも上をしのぐために量産されました。
今では東日本の「紅あずま」、西日本の「高系14号」「鳴門金時」、鹿児島県種子島の「安納イモ」、芋焼酎の材料となる「黄金千貫」などがたくさんの種類があります。
堀りたてよりも、2~3ヶ月貯蔵した方が糖度が高くなります。
栄養成分
- でんぷん
- ビタミンC:29mg
- ビタミンE:1.6mg
- カリウム:470mg
- カルシウム:40mg
- マグネシウム:25mg
- 銅:0.18mg
- 食物繊維:2.3g
- 鉄分:0.7mg
- マンガン:0.44mg
水分を除くと90%が糖質で、芋類の中でも最も甘いです。主成分はでんぷんで、加熱すると一部が糖質(麦芽糖)に代わり、甘みが出てきます。特に石の熱でじわじわ温められた焼き芋がひときわ甘くなります。
カロリーはお米や小麦の1/3程度と低く、ビタミンCやビタミンB1、ビタミンB6、食物繊維が豊富に含まれています。特にビタミンCはリンゴの約5倍以上あります。
切ると包丁などにつく液体はヤラピンという樹脂の一種です。これは腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進する働きがあり、食物繊維との相乗効果で便秘解消など体の中も綺麗にしてくれる女性嬉しい野菜です。
他にもビタミンE、カリウム、カルシウム、マグネシウム、銅などのミネラル類も比較的多く含まれています。
カロリー
- 132kcal(100gあたり)
野菜の中でも高カロリーの部類に入ります。でんぷんが主成分であることが大きいです。
しかし、お米や麦と比べると3分の1程度のカロリーになり、主食としてはヘルシーな部類に入ります。
旬:美味しい時期
初夏から秋に収穫した後に、貯蔵庫で保管され、翌年の6月頃までに順次出荷されていきます。
新もののみずみずしい味わいもいいが、貯蔵され2ヶ月ほどたった1~2月のものは、水分が飛んだ分甘みがぐっと増します。
旬は9月から11月ですが、保存がきくため年中食べられます。
産地
暑さと乾燥には強いが、寒さに弱く日本では主に関東以南で栽培されています。
美味しいさつまいもの選び方・見分け方
- 一般的に太くて重たく、背が低くて太っている形が美味しい
- 紅色が濃く、肌がなめらかでツヤがあるもの
- 皮の色が鮮やかで、張りがあり中央付近がふっくらしているものを選ぶ
- 傷や黒ずみがなく、ヒゲ根が無い方が美味しい
- 切り口に蜜がでているものは甘い
- 切ったときに小さな穴があいていない方が新鮮
皮にツヤがあり、紅色が濃く、色が均一のものを選びましょう。凸凹が少なくて、肌がなめらかなものを見比べてください。
背が低くいて太っているものが生育環境がよく美味しいです。肌がデコボコしていたり極端に曲がっていたり、細いものは避けましょう。
毛穴が深いものやヒゲ根が硬いあるものは繊維が多いので避けましょう。黒い斑点があるものは貯蔵時に低温障害を受けたものなので味が落ちています。また傷が多いものは古いので避けてください。
さつまいもは貯蔵して熟成させると糖度が増します。紅系に良く見られる甘さのサインは、とりわけ糖度が高いものは、切り口から蜜が染み出ています。
切り口や皮に黒いしみのような蜜の跡をみつけたら、ぜひそれを選んでください。
さつまいもは初夏~秋に収穫され、冬~翌年の春までは貯蔵されたものが出回ります。その貯蔵ものの熟成が丁度良い具合になるのが1月~2月頃です。この時期は甘みが非常に乗っていて美味しいです。