米や小麦のように主食として食べられているのがとうもろこし。野菜の中でも高カロリーですが、食物繊維やたんぱく質が豊富に含まれています。
とうもろこしの特徴、栄養成分、カロリー、旬(美味しい時期)、産地、美味しいのとうもろこしの選び方・見分け方について順に紹介します。
特徴
- 学名:Zea mays
- 分類:イネ科トウモロコシ属
- 原産地:メキシコから南アメリカ北部
- 英語:sweet corn,、corn、Maize
- 漢字:玉蜀黍
- フランス語:mais
原産地は中央アメリカ。米や小麦と並ぶ世界三大穀物の一つです。コロンブスがヨーロッパに持ち帰ったことから、世界中で栽培されるようになりました。
日本に来たのは16世紀からですが、本格的に栽培がスタートしたのは明治時代の北海道開拓が切っ掛けです。アメリカから甘みのある品種が導入され盛んになりました。
そのまま食べる以外にも飼料やサラダ油、でんぷんから作るコーンスターチで製紙や繊維の糊付け、でんぷんを発酵させて作られるエタノールでバイオ燃料に。また同じくでんぷんからつくられるポリ乳酸で食物性プラスチックの原料にもなります。
栄養面以外に地球環境保護の面からも重要な野菜となっています。
とうもろこしの名前は、中国「唐」から伝わった「モロコシ(=雑穀のキビのこと)」という意味から付けられました。
全国にはとうもろこしの別名があり、代表的なものにとうきび(北海道)、おうきみ(やまがた)、たかきび(鹿児島)、まるきび(岐阜)、ふくろきび(長野)、とっきみ(秋田)などがあります。
▲青色や水色が含まれたとうもろこし(グラスジェムコーン)
栄養成分
栄養成分名称 | 100gあたりの栄養成分含有量 |
タンパク質 | 3.6g |
脂質 | 1.7g |
炭水化物 | 16.8g |
カリウム | 290mg |
カルシウム | 37mg |
リン | 100mg |
鉄分 | 0.8mg |
亜鉛 | 1.0mg |
ビタミンB1 | 0.15mg |
ビタミンB2 | 0.10mg |
ビタミンC | 8mg |
食物繊維 | 3.0g |
とうもろこしは糖質とたんぱく質が主成分。炭水化物が多いのも特徴です。
胚芽の部分にビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、カリウム、亜鉛、鉄分、コレステロール値を下げるリノール酸などの栄養素が詰まっています。
またセルロースが多く、食物繊維が豊富なので、腸を綺麗にする効果も期待できます。
収穫してから24時間後には栄養価半減、味も落ちてしまうので、新鮮なうちに食べるようにしましょう。加熱しても栄養が損失しにくいのが利点です。
1960年代の時と比べて、ビタミンB群やビタミンCは約1.5倍ほど栄養価が増えています。これは品種改良により健康食材になっているからとも言えます。
ビタミンB1の含有量は野菜の中で4位。
カロリー
- 92kcal(100gあたり)
野菜の中では高カロリーに入ります。
旬:美味しい時期
北海道は8月~9月が旬で、千葉県や茨城県では5月~7月が旬です。
産地
- 北海道
- 千葉県
- 茨城県
- 長野県
- 群馬県
- 山梨県
北海道の全体の40%のとうもろこしが生産されています。鮮度が味を左右するのでできるだけ近い産地のものを買うようにしましょう。
美味しいとうもろこしの選び方・見分け方
- 実が先まで詰まっていて、ふっくらとツヤツヤしているものを選ぶ
- 皮が付いていたら、皮の色が濃い緑色のものを選ぶ
- 皮つきであれば上部にひげがある場合がある。このヒゲが茶褐色のものほどよく熟している
- 1日で鮮度が半減するので、できるだけ近い産地のものを選ぶ
とうもろこしは収穫直後から味が落ち始め、1日経つと栄養価や甘みが半減すると言われるほど、鮮度が命です。
そのため粒の状態を必ずチェックしましょう。
皮がむかれたものは、実が隙間なく詰まっているものを選びます。粒がしっかりと膨らみ、へこみがないものにしましょう。
古くなっているものは水分が飛んでいてへこみが出ています。
皮つきは皮の色が濃く乾いていないものを選びましょう。皮の上部に茶色いひげがあれば、それが茶褐色のものが熟していて良品です(写真の左上部参照)。
ヒゲ1本が粒1粒とつながっているので、フサフサしているものは粒もぎっしりの良品となります。
下部の軸は青いもの、その上の軸の切り口はみずみずしく新鮮なものにしましょう。
風味や日持ちを考えて、もし皮つきがあれば皮つきのものを選んでください。皮の緑色が鮮やかでみずみずしいものが新鮮です。古くなると緑色が薄くなっているので注意してください。
鮮度が命なので、住んでいるところからできるだけ近い産地のものを選んでください。