えんどうの中でも若採りしさや(袋)ごと食べるのがさやえんどうです。
彩りがよく栄養が豊富なので、できるだけ食べていきたい野菜です。
さやえんどう(きぬさや)の特徴、栄養成分、カロリー、旬(美味しい時期)、産地、美味しいさやえんどうの選び方・見分け方について順に紹介します。
特徴
- 学名:Pisum sativum
- 分類:マメ科エンドウ属
- 原産地:中央アジア、中近東地域
- 英語:graden pea
- フランス語:pois mange-tout
- ドイツ語:Erbse
えんどうには、さやごと食べる「さやえんどう」と、さやの中の実をたべる「実えんどう」の2種類があります。
さやえんどう(きぬさや)とは、エンドウ豆を早採りしたもので、中の豆はまだ生育していません。
「さや」とは豆を覆っている袋のこと、早採りしているので袋ごと食べられます。さやがこすれる時の音が「衣擦れ」の音に似ていることから、きぬさやとも呼ばれてます。
きぬさやと呼ばれるのは、さやえんどうの中でも特に小さいものになります。
中央アジアから中近東地域が原産で、古代ギリシャやローマ時代から栽培されていた歴史のある野菜です。
日本には7~8世紀ごろ、遣唐使が中国から持ち帰ったと伝えられています。主に栽培され始めたのは江戸時代からです。
※明治時代からという説もあり
国連食糧農業機関「マメと派生産物」の定義によると、乾燥させずに袋のまま食べる「さやえんどう」などは豆類に含まず淡色野菜に分類されます。
栄養成分
栄養成分名称 | 100gあたりの栄養成分含有量 |
たんぱく質 | 3.1g |
炭水化物 | 7.5g |
カリウム | 200mg |
カルシウム | 35mg |
マグネシウム | 24mg |
リン | 63mg |
ビタミンA(β-カロテン) | 560μg |
ビタミンB1 | 0.15mg |
ナイアシン | 0.8mg |
ビタミンC | 60mg |
葉酸 | 73μg |
食物繊維 | 3.0g |
さやえんどうは早採りしたので栄養が凝縮しています。特にβ-カロテンの含有量が多く、分類は緑黄色野菜になります。
栄養はさやいんげんよりも優秀です。ビタミンC、食物繊維も豊富で、ビタミンAやビタミンB群も含みます。
豆の部分はビタミンB1やたんぱく質も含まれており、必須アミノ酸のリジンは脂肪の燃焼を助けることで体の成長を促進し、集中力を高める効果があります。
関東ではきぬさや系、関西では大型のオランダさやえんどう・スナップエンドウが人気です。
- ビタミンB1の含有量は野菜の中で4位
- ビタミンCの含有量は野菜の中で8位
カロリー
- 36kcal(100gあたり)
旬:美味しい時期
品種によって旬が異なります。関東で人気のキヌサヤは1月~3月、関西で人気のオランダサヤは4月~5月が旬です。
巻き時を変えているので、1年中食べられています。
産地
- 鹿児島県
- 愛知県
- 福島県
- 和歌山県
- 熊本県
関東では鹿児島産や福島産のさやけんどうが多く、関西では和歌山産が多いです。中国やタイからの輸入品もあるので周年出回っています。
美味しいさやえんどう(きぬさや)の選び方・見分け方
エンドウ豆のさやが未熟な時期のものをさやえんどう(きぬさや)と言います。生育していない未熟なものが美味しいです。
- 全体が色鮮やかな緑色で、張りがあるものを選ぶ
- 豆の数が多いものが良品
- 豆が板のように薄く生育していないものが良い
- 下のヒゲの部分が白く、ピンとしているものが新鮮
全体がグリーン鮮やかで張りあり、ヒゲが白くピンとしたものが新鮮です。
豆の数が多いものを選びます。大振りよりも小ぶりののものが適期収穫で美味しいです。
凹凸がはっきりとしすぎているものは育ち過ぎなので選ばないようにしましょう。豆が小さく並び、皮がうすいもの、ほとんど生育していない板のように薄いものが良品です。
折った時にパリッと音をたてて割れ、切り口に水分がにじむものは鮮度の高いさやえんどうになります。
※さやえんどう(きぬさや)とは別に、成熟したエンドウ豆はスナップエンドウという名前の野菜になります。