里芋(さといも)は大昔から日本の主食とされてきた歴史ある野菜です。
ぬめりがあるので調理にはひと手間入りますが、とても栄養価の高い食べ物です。
里芋(さといも)の特徴、栄養成分、カロリー、旬(美味しい時期)、産地、里芋の美味しい選び方・見分け方について紹介します。
特徴
- 学名:Colocasia esculenta
- 分類:サトイモ科サトイモ属
- 原産地:マレー半島
- 別名:タロイモ
山で採れるのが山芋(やまいも)で、里で採れるのは里芋(さといも)と呼ばれています。
粘り気があることから、調理に手間がかかるため、敬遠されがちですが、「八頭(やつがしら)」など、お正月やお祝い事には欠かせない食材です。
茎の部分は「ずいき」と呼ばれ、灰汁が強いのですが、茹でて酢の物や煮物料理に使われています。
原産地はインド東部からインドシナ半島にかけての地域。
日本には、縄文時代に中国から渡来したと言われ、現在では200以上の品種があります。
第二次世界大戦以前には、主食として食べられていた地域もあるそうです。
里芋は昔から民間療法である「芋薬(いも薬)」の湿布薬として利用され、打撲、ねんざ、関節痛などの消炎(痛み止め)に効果があるとされていました。
栄養成分
栄養成分名称 | 100gあたりの栄養成分含有量 |
タンパク質 | 1.5g |
炭水化物 | 13.1g |
カリウム | 640mg |
リン | 55mg |
鉄分 | 0.5mg |
亜鉛 | 0.3mg |
銅 | 0.15mg |
マンガン | 0.19mg |
ビタミンB1 | 0.07mg |
ビタミンB2 | 0.02mg |
ビタミンC | 6mg |
食物繊維 | 2.3g |
水分以外のほとんどがデンプンとタンパク質で、加熱すると糊状になり、消化吸収がされやすくなります。
高血圧予防に効果的なカリウムもたくさん含まれていて、食物繊維も豊富なので、生活習慣病や体脂肪が気になる方におすすめの野菜です。
里芋(さといも)には、ぬめり成分があります。このぬめり成分にはマンナンとガラクタン(水溶性食物繊維)があります。
特にガラクタンには脳細胞の活性化や粘膜の程、免疫力を高める効果があると言われています。
- カリウムの含有量は野菜の中で3位
※ムチンは動物性の成分であることを確認しました。植物性の里芋(さといも)には含まれていないのでご注意下さい。
カロリー
- 58kcal(100g)
カロリー(エネルギー)は他のイモ類に比べて低いです。
旬:美味しい時期
関東産は8月〜12月が多く、九州産は10月〜3月が多いです。
品種リレーで年間で出回っています。
産地
里芋の産地は「秋冬もの」と「春夏もの」があります。
秋冬もの
- 千葉県
- 埼玉県
- 宮崎県
- 石川県
- 新潟県
春夏もの
- 鹿児島県
秋冬が多いですが、1年中採れるのが里芋。春夏ものは鹿児島県産が多いです。
美味しい里芋の選び方・見分け方
- 濃い茶褐色で、丸いもの、しま模様がくっきりとでているものを選ぶ
- 下の方を触ってみてふかふかしていたら、傷んでいる証拠
- 切り口が赤黒い傷があるものは、しまりがなくえぐみがある
- 中を切った時に、赤い斑点や網目、変色がなく、白くてツヤのあるものが美味しい
丸い形のものが柔らかく美味しいです。泥付きで湿っているものは鮮度が保たれています。日持ちがよく味も保つことができます。
しま模様がくっきり出ているもの、皮に傷や芽がなく、濃い茶褐色のものを選びましょう。デコボコが多く、黒っぽいものは古いです。
順調に生育すれば、シマ模様が平行にくっきりと出て丸みを帯びます。
サイズはゴルフボールよりやや大きさまで生長したものを選びましょう。
皮をむいて水にさらしているものは中身を確認できます。赤い斑点が出ていないかチェックして下さい。
水持ちのよい粘土質の土地が生育に最良です。埼玉県や石川県、新潟県などの代表的な名産地のものを選びましょう。