昔から食べられている大根(だいこん)は、春の七草の一つ「すずしろ」のことを言います。
よく食べられてる白い部分は根ですが、葉の方が栄養価が高いことを知っておきましょう。
大根の特徴、栄養成分、カロリー、旬、産地、美味しい大根の選び方・見分け方について順に紹介します。
特徴・データ
- 学名:Raphanus sativus
- 分類:アブラナ科ダイコン属
- 原産地:地中海地方、中央アジア
- 英語:Japanese radish, Daikon
- 和名:ダコン(大根)
- フランス語:rais
大根は各地で品種改良されており、ヨーロッパ大根、中国大根、日本大根があります。英語では「Japanese radish」や「Daikon」と呼ばれています。
原産地は中央アジアや地中海地方など色々な説がありますが、はっきりとはしていません。
それだけ昔から食べられてきた野菜で、最古の野菜の一つになります。古代エジプト時代には食べられていたとか。
紀元前2500年頃にエジプトでピラミッド建設に従事した労働者たちが食べていたという記録がのこっているそうです。
日本には中国(華南系)から伝わり、日本の浜ダイコンが加わり、各地に広まって品種改良されてきました。「日本書紀」にも大根の記載があります。
当時は春の七草の一つである「すずしろ」という名前でした。一般に広がったのは室町時代と言われています。
かつては全国各地に固有の大根が栽培されておりその数は200品種以上ありました。
しかし1970年代半ばに「青首ダイコン」が登場。
甘くて、買いやすく、少し小ぶりの大根が人気になり、1980年代には野菜売り場の店頭には青首ダイコン一色になりました。
▲赤ピンク色をした紅大根もあります。
葉に近い部分は甘いのでサラダなどの生食に、先端は辛いので薬味や漬物に、中央部分はおでんなどの煮込み料理にするのがおすすめです。
栄養成分
- ビタミンC(根・葉)
- ジアスターゼ(根)
- β-カロテン(葉)
- 食物繊維(葉)
- カルシウム(葉)
ビタミンCは根と葉の両方に含まれています。よく食べられている白い部分は根で、その95%が水分とジアスターゼです。
このジアスターゼ(アミラーゼ)という消化酵素が胃腸の働きを活発にします。熱に弱いので、生のまま食べるのが効果的です。加熱すると効力を失います。
演技が下手な役者を「大根役者」と言いますが、これは大根が消化がよく、食あたりしないことが由来になっています。この消化の良さがジアスターゼなのです。
スーパーではよく切られてしまっている葉の部分は、β-カロテン、ビタミンC、カルシウム、食物繊維が含まれ栄養価の高い緑黄色野菜です。
葉の方が栄養満点なので、もし葉付きで売られていれば買うようにし、積極的に食べるようにしましょう。
カロリー
- 根:18kcal(100gあたり)
- 葉:25kcal(100gあたり)
旬:美味しい時期
本来、冷涼な気候を好むので、冬が旬ですが、今では1年中出回っています。
12月~2月の冬大根が美味しく、葉は春と秋が美味しいです。
産地
夏場は北海道で多く、春だいこん・秋冬だいこんは千葉県が多く栽培されます。
美味しい大根の選び方・見分け方
- ひげ根が少なく、張りとツヤがあるものを選ぶ
- 青首の部分(大根上部)が黒ずんだり、ひびが入ってるものは、大根の中に穴ができていることが多い
- 手に持ってズシリとした重みがあるものを選ぶ
- 葉の色が鮮やかな緑色をしていて、みずみずしいものを選ぶ
- 葉の色が黄色のものは鮮度が落ちている
肌が白くスベスベで、ツヤがあるものが新鮮。次に大根からひげのような根が出ていないか確認しましょう。
できるだけひげ根がすくなく手に持って重いものを選びます。毛穴が深いものは避けましょう。
手に持ってみてズシリと重いものを選びます。重い方が水分が抜けておらず新鮮です。
青首の部分は黄緑色で、白い部分は真っ白のものがおすすめです。
大根が半分にカットされている場合
カットされた大根は、切り口を見て小さな穴があいていないか確認します。断面はきめが細かく、みずみずしいものを選びましょう。
古い大根ほど、スが入って水分が抜けています。
大根の葉がある場合、ない場合
葉が付いている場合は、葉が緑鮮やかなものを選びましょう。黄色く枯れかけているものは古くなってきているのでやめておきましょう。
鮮度は葉先のみずみずしさで一目瞭然です。
葉付きのものが日持ちも風味もよく、葉まで食べられるので、もしスーパーにあれば葉付き大根を選びましょう。
葉に養分をとられるので、買ったらすぐに根元から切り落として保存してください。
葉がカットされているものは、葉と大根の切り口を確認し、スが入っていないか確認してください。