独特の香りと苦みがあるセロリは苦手な方も多いかと思います。それが大人になると不思議と美味しいと感じられる野菜に変わってきます。
セロリの特徴、栄養成分、カロリー、旬(美味しい時期)、産地、美味しいセロリの選び方・見分け方について順に紹介します。
特徴
- 学名:Apium graveolens
- 分類:セリ科オランダミツバ属
- 原産地:ヨーロッパ地中海地方、西南アジア、インド
- 和名:オランダ三つ葉
- 英語:celery
- フランス語:celeri
セロリはヨーロッパ地中海地方、西南アジア、インドなどが原産で、紀元前の古代ギリシャ時代からからストレスによる症状を緩和させる薬用として、又におい消しなどに使われてきました。
日本に渡ってきたのは16世紀末。加藤清正が朝鮮出兵の際に持ち帰ったと言われています。その後、西洋種などが導入されますが、一般に普及されたのは第二次世界大戦後からになります。
GHQによりアメリカ・ユタ州から作られたグリーンセロリが持ち込まれてきました。
当初は強い香りで好まれませんでしたが、くせのないコーネル種が取り入れられてから日本に定着しています。日本に流通するセロリの90%がコーネル種です。
一般にセロリ(セロリー、セルリー)と言われていますが、江戸時代は和名「オランダ三つ葉」と呼ばれていた時期があります。
栄養成分
- ビタミンC:7mg
- ビタミンB1:0.03mg
- ビタミンB2:0.03mg
- ビタミンB6:0.08mg
- β-カロテン
- カルシウム:39mg
- カリウム:410μg
- 食物繊維:1.5g
- アピイン
- ポリアセチレン
- 葉酸:29μg
ビタミンC、ビタミンB群、ミネラル類、食物繊維などが多く含まれていますが、特に葉の部分にβ-カロテンが多いので(茎の部分の2倍のカロテン)、葉柄(葉茎)だけでなく葉も捨てずに食べるようにしましょう。
セロリ独特の香りはアピインという精油成分から来ています。このアピインは精神を安定させたり、不眠やイライラにも効果があると言われています。
抗酸化作用の高いポリアセチレン、血液をサラサラにするビラジンも豊富に含まれています。ヨーロッパでは強精剤としても使われていました。
カロリー
- 15kcal(100gあたり)
旬:美味しい時期
通年出回っていますが、旬は年に2回あります。
美味しいのは夏ですが、出荷量が多いのは2月~3月になっています。
産地
- 長野県
- 静岡県
- 福岡県
冷涼な気候を好み、初夏から秋は長野県産などの高冷地で露地栽培され、冬から春は静岡県などでハウス栽培されています。
長野県と静岡県で全国のセロリの70%を占めています。
美味しいなセロリの選び方・見分け方
- 葉がイキイキしていて、緑色が鮮やかで張りがあるものを選ぶ
- 茎の部分の筋がボコボコとなった肉厚なものを選ぶ
- 茎の内側のくぼみは狭いものが良品
- 茎を指で押さえた時にへこむものは、スがはいっている可能性がある
- 茎が白いものは柔らかく甘みがあり、緑色の茎は香りが強い
セロリは、特有の香りと歯触りを活かしたい野菜です。そのためにはできるだけ新鮮でみずみずしいものを選ぶようにしましょう。
セロリは40~50cmの株を栽培し、その中の日の当たらない白い葉と茎の部分を切りだして売られるので、生育がよくしっかり大きな株の中で育ったものは、綺麗な白色をしています。
このような良品は甘みと柔らかさがあり、独特の香りも目立ちません。逆に緑色の茎は香りがきつくなります。
▲茎が白くて新鮮なセロリが、日が経ちどんどん茎が緑色になっている様子
古くなってい来ると茎の内側のくぼみが広がって、全体が緑色をしてきて葉も黄色く変色してくるので避けましょう。
茎の筋のデコボコがはっきりと出ているものは新鮮です。生育が良いものは茎がしっかりと太っているので、その点もあわせて確認してください。